2012/12/12

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、知的財産保護に関心高まる

この記事の要約

ルーマニアでは近年知的財産権への関心が高まっており、知的財産の法的保護の強化に向けた取り組みが活発になりつつある。議会の委員会では現在、会社の従業員などが職務上行った発明(職務発明)の取り扱いに関する法案の策定が行われて […]

ルーマニアでは近年知的財産権への関心が高まっており、知的財産の法的保護の強化に向けた取り組みが活発になりつつある。議会の委員会では現在、会社の従業員などが職務上行った発明(職務発明)の取り扱いに関する法案の策定が行われている。この法案は使用者等と従業者等の間の利益のバランスをとりつつ職務発明の権利帰属や対価について規定することを目的とする。法律事務所ビリス・ゴランのシニア・パートナーであるアンドロニッチ弁護士によると、委員会では職務発明を使用者に帰属させ、従業者に相当の対価を支払うことで意見がまとまっているものの、支払われるべき対価の算定が大きなハードルとなっているという。

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知的財産権問題に詳しい法律事務所ポポビッチ・ニトゥ&アソシアティーのマネジング・パートナー、ポペスク氏は、ルーマニア経済の成長が加速し市場競争が厳しさを増していることが、知的財産権への関心を高めていると指摘。「競合相手の商標を利用したり製品を模倣することで消費者を混乱させて売上を伸ばそうとするような動きがあれば、その商標や製品の特許を持つ企業や個人が自らの権利を守りたいと考えるのは当然のことだ」と述べている。

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欧州連合(EU)の欧州委員会が加盟国のイノベーション実績を指標化した「欧州イノベーション・スコアボード」によると、ルーマニアの国外からの特許収入は2011年に前年比21%増加した。ただ、イノベーション実績値ではEU平均の50%未満の「モデスト・イノベーター」 グループに分類され、ブルガリア、ラトビア、リトアニアと並び、EUで最もイノベーション実績が少ない加盟国のひとつとなっている。

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