欧州復興開発銀行(EBRD)は12日、ウクライナの原子力発電所の安全性向上プロジェクトに3億ユーロを融資することを決めたと発表した。同行の原発安全事業に対する融資としては過去最大規模となる。
\ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは国内4カ所に原発を運営しており、計15基の原子炉が稼働している。同社は2017年末までに14億ユーロを投じて保有する原子炉の安全性を向上させるプロジェクトを実施する計画。同プロジェクトには欧州原子力共同体(ユーラトム)も3億ユーロの資金供与を決めている。
\全発電電力量の半分を原発に依存するウクライナでは、国際的な安全基準に沿った原子炉設備の更新が課題となっている。EBRDのプリティ理事(エネルギー・天然資源担当)は、「EBRDはウクライナのエネルギー集約的な経済構造からの脱却を支援している。一方で、同国のエネルギーミックスにおいて原子力が果たす重要な役割を認識しており、原子炉を可能な限り安全なものにすることが必要だ」と述べた。
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