2013/10/30

CIS諸国

グルジア大統領選挙、首相派候補が大勝

この記事の要約

グルジアで27日実施された大統領選挙は、与党「グルジアの夢」のマルグペラシビリ候補が6割を超える票を集めて大勝した。イワニシビリ首相の絶大な人気に支えられ、現職のサーカシビリ大統領が推すバクラゼ候補に3倍近くの差をつけた […]

グルジアで27日実施された大統領選挙は、与党「グルジアの夢」のマルグペラシビリ候補が6割を超える票を集めて大勝した。イワニシビリ首相の絶大な人気に支えられ、現職のサーカシビリ大統領が推すバクラゼ候補に3倍近くの差をつけた。投票率は46.9%にとどまった。

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与党候補の当選により、グルジアは新欧米路線を維持しながらロシアとの関係改善を探るこれまでの政策を継続する。ただ、イワニシビリ首相は政界からの引退を予告しており、後継者を含めた今後の動向が注目されるところだ。

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中央選挙管理委員会の発表(開票率99.7%)によると、マルグベラシビリ候補は62.1%を獲得。バクラゼ候補は2位につけたものの得票率は21.7%にとどまり、大敗を喫した。3位は、強権性を強めるサーカシビリ大統領とたもとを分かち、2008年に新党「民主運動・統一グルジア」を旗揚げしたブルジャナゼ候補(10.2%)だった。

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独日刊紙『南ドイツ新聞』によると、投票に先立つ選挙運動は比較的穏やかに行われた。この背景には、「グルジアの夢」もサーカシビリ大統領の「統一国民運動」も新欧米路線を追求する基本的姿勢に変わりないという事実がある。

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米国民主研究所(NDI)による9月の調査によると、国民の関心の中心は失業などに代表される社会問題にある。

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「グルジアの夢」への支持の裏には、08年の武力衝突以来、悪化しているロシアとの関係改善で同国との貿易復活を本格化させたいという国民の思いがあるようだ。

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マルグベラシビリ候補は有名大学の学長を務め、知識人の立場からサーカシビリ大統領を批判して有名になった。現内閣では教育相を務めた。

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サーカシビリ首相は、以前から大統領選後に政治の表舞台から身を引く意思を表示しており、29日か30日に後任を発表する予定だ。

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なお、グルジアは今回の大統領選を機に、大統領の権限を縮小し、首相を中心とする議会制民主主義に移行することが決まっている。

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