中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/11/27

総合・マクロ

中国、中東欧のプロジェクトに100億ドル融資

この記事の要約

中国が中東欧諸国との関係強化を狙っている。ルーマニアを公式訪問中の李克強首相は25日、ブカレストで開かれる第3回中国・中東欧首脳会議を前に、同地域のプロジェクトに総額100億米ドル(約74億ユーロ)を融資する方針を明らか […]

中国が中東欧諸国との関係強化を狙っている。ルーマニアを公式訪問中の李克強首相は25日、ブカレストで開かれる第3回中国・中東欧首脳会議を前に、同地域のプロジェクトに総額100億米ドル(約74億ユーロ)を融資する方針を明らかにした。同時に、国内需要が増加している食糧の調達先としても中東欧に注目している。

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ルーマニアとは◇高速鉄道の建設◇チェルナヴォダ原発における原子炉2基の新設◇石炭火力・水力発電容量の拡大◇風力発電プロジェクトの推進◇テクノロジーパークの設置◇豚肉・肉牛の調達――などで協力していく意向を確認した。プロジェクトの投資総額は85億ユーロで、中国による融資で実現させる。

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また、新華社通信によると、26日にはハンガリーとセルビアを結ぶ鉄道の敷設に中国が参加することで両国と合意したという。

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一方、欧州連合(EU)は中国と中東欧諸国の関係強化に警戒感を強めている。「分割して支配せよ」のことわざのように、中国が各国間の対立をあおって欧州を弱体化させ、進出を容易にしようとしているのではと疑っているのだ。

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これに対して中東欧の国際関係専門家は、中国の関心は経済的なもので懸念には値しないとみている。

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26日の中国・中東欧首脳会議は2011年のブダペスト、12年のワルシャワに続いて今回が3回目。EUに加盟する中東欧11カ国に加え、旧ユーゴ連邦の5カ国の首脳が出席する。

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李首相はまた、27日にルーマニアからウズベキスタンに向かい、28、29日に首都タシケントで開かれる上海協力機構(SCO)首相会議に出席する予定だ。

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