2014/1/15

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

セルビア、EUとの貿易自由化で農業界に危機感

この記事の要約

セルビアでは昨年9月に発効した欧州連合(EU)との安定化・連合協定(SAA)に基づき、EU加盟国との貿易が今月1日から原則自由化された。これにより、すべての工業製品と農産品の多くの関税が撤廃される。\ 農産品については、 […]

セルビアでは昨年9月に発効した欧州連合(EU)との安定化・連合協定(SAA)に基づき、EU加盟国との貿易が今月1日から原則自由化された。これにより、すべての工業製品と農産品の多くの関税が撤廃される。

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農産品については、肉類、乳製品、じゃがいも、トマト、一部の果物、穀類など農業戦略上重要性が高いとされる約400品目が関税自由化の対象外となっているものの、セルビアの農業・食品業界では、貿易自由化による競争激化の影響を懸念する声が広がっている。セルビア商工会議所のセルティッチ会頭は、EUとの貿易が増加するメリットは大きいと強調したうえで、「セルビア企業は競争に十分耐えられる能力を持っている」と楽観的な見方を示す。ただ、セルビアの農業・食品産業は設備面で問題が多く、EUへの輸出拡大は容易ではないとの指摘もある。食肉業界を例にとると、EUの基準を満たす屠殺施設は国内5カ所しかないというのが現状だ。

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セルビアのEU統合庁のまとめによると、同国は国内で生産する製品の60%をEUに輸出し、EUからの輸入は全体の61%を占めている。

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