2014/1/22

総合・マクロ

露ガスプロムの競争法違反問題、欧州委が異議告知書送付の準備

この記事の要約

ロシアの国営ガス会社ガスプロムがEU競争法に違反している疑いがあるとしてEUが調査を進めている問題で、欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は15日、同社に異議告知書を送付する方向で準備を進めていることを明らかにした […]

ロシアの国営ガス会社ガスプロムがEU競争法に違反している疑いがあるとしてEUが調査を進めている問題で、欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は15日、同社に異議告知書を送付する方向で準備を進めていることを明らかにした。ガスプロムは巨額の制裁金が科される事態を回避するため、昨年12月に改善策を提示しているが、欧州委との和解に向けて同社はさらなる譲歩を迫られそうだ。

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欧州委は2012年9月、ガスプロムが中・東欧における独占的な地位を乱用し、ガス供給ルートの多様化を阻害したり、ガス価格を不当につり上げるなど、域内のガス市場で公正な競争を阻害している可能性があるとして正式な調査を開始した。欧州委はガスプロムが長期契約においてガス価格を原油価格に連動させ、高値に設定している点などを特に問題視している。

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アルムニア副委員長は15日に開いた定例の記者会見で、ガスプロムに対する調査の進捗状況に関する質問に応じ、「プランAとして引き続き異議告知書を送付する方向で準備を進めている」と述べた。欧州委の関係者が調査の進捗について公の場でコメントしたのは、ガスプロムが改善策を提示して以来、今回が初めて。アルムニア委員は昨年10月の段階で、ガスプロムがEU競争法に違反した疑いが強まったとして、同社に対する法的手続きの準備を進めていると発言していた。

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ガスプロムが具体的にどのような改善策を提案しているかは不明だが、同社のアレクサンドル・メドベージェフ副社長は12月に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、「相互に受け入れ可能な解決策」を探ることで「おそらく3~4カ月程度で」和解合意できるとの見方を示していた。しかし、EU関係者によると、ガスプロムから改善策が提示されて以降、欧州委と同社による話し合いは行われていないという。

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