2014/1/29

総合・マクロ

中東欧経済、回復の足取り鈍い=欧州復興開発銀見通し

この記事の要約

欧州復興開発銀行(EBRD)は21日、同行が支援対象地域とする中東欧や近隣の一部アジア・北アフリカ諸国に関する経済見通しを発表。全体として回復の足取りは遅いとして今年の平均経済成長率の予測を前回発表から0.1ポイント下方 […]

欧州復興開発銀行(EBRD)は21日、同行が支援対象地域とする中東欧や近隣の一部アジア・北アフリカ諸国に関する経済見通しを発表。全体として回復の足取りは遅いとして今年の平均経済成長率の予測を前回発表から0.1ポイント下方修正し、2.7%とした。

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EBRDは「新興国経済は、米国の金融政策が徐々に引き締められる中、引き続き資本流出に苦しめられている」と指摘。持続的な景気回復を確保するため、構造改革と金融危機の遺産である巨額の不良債権と高失業率などの課題に取り組む必要があると述べた。

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地域別の見通しでは、中欧・バルト諸国については2.2%と、過去2年間と比べ倍の水準の平均成長率を予想。ハンガリー、ポーランド、スロバキアで回復が加速する一方で、スロベニアは企業が抱える巨額の負債と金融機関の再建問題が足かせとなって景気後退からの脱却は難しいとの見方を示した。南東欧諸国については2.1%の成長を予想。低成長と公的支出の削減失敗によって財政赤字と公的債務が膨らんでいると警告した。

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ロシアについては昨年の1.3%から2.5%に成長率が回復するとの見通しを示したうえで、コモディティー価格はもはや成長のサポート要因ではないと指摘。投資を加速させ成長率を2.5%以上に引き上げるためには、構造改革とビジネス環境の改善が必要だと強調した。東欧・コーカサスは昨年の1.2%から2.0%に回復すると予想。中央アジアはカザフスタン、モンゴル、トルクメニスタンで天然資源の大型プロジェクトが相次ぎ力強い成長が期待できる一方で、タジキスタンとキルギスは、内需no

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弱さとロシアからの資金流入減少により成長がやや鈍化するとの見方を示した。また、トルコは昨年の3.7%から今年は3.3%に減速すると予想。金融引き締めと資金調達コストの上昇が政情不安も相まって成長率を押し下げると分析した。

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EBRDの主任エコノミストのエリック・ベルグロフ氏は「世界経済、特に大半の先進国でポジティブな兆候が見えているが、EBRDの支援対象地域はまだ困難から脱していない」とコメントした。

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ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
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