2014/2/12

ハンガリー

英マイシス、ハンガリーの金融ソフト会社買収

この記事の要約

英国の金融業界向けソフト大手マイシスは10日、ハンガリーのINDグループを買収したと発表した。個人向け金融ソリューションに強い同社を傘下に収めることで、同分野における競争力を強化する。取引額は明らかにされていないが、経済 […]

英国の金融業界向けソフト大手マイシスは10日、ハンガリーのINDグループを買収したと発表した。個人向け金融ソリューションに強い同社を傘下に収めることで、同分野における競争力を強化する。取引額は明らかにされていないが、経済ニュースサイト『portfolio.hu』によると、200億フォリントを超えた可能性もあると推測している。

マイシスのサイード社長は今回の買収の動機として、金融業界におけるモバイル技術の重要性が急速に高まっていることを指摘。スマートフォンなどモバイル端末から残高照会、振り込みなどの銀行取引を行ったことのある人は現在の5億人から17年末までには10億人に倍増する見通しという。同社はINDの買収をばねに個人向けソフトを強化し、市場の成長に乗る方針だ。

INDは1997年の設立。金融ソフトのカスタマイズなどで力を発揮し、独IT企業ブロカートとの取引を機に業界の信用を高めた。03年にはブロカートを買収して独自ソフトの開発に乗り出す。フェイスブックを経由した銀行取引ソフトや、電話番号が分かれば送金できる決済ソフトなど、独創的な製品を次々に開発し、着実な成長を遂げた。昨年11月には、シンガポールで開かれた金融イノベーション会議「フィノベート」で、新しい個人向けモバイルバンキング・アプリ「エッセンス」を発表し、高い評価を得た。

13年売上高は50億フォリント(2,200万米ドル)で、2010年の1.75倍に達した。同社のデータよれば、欧州・中東地域18カ国の40銀行と取引がある。顧客リストにはポーランド・アリオル銀行、墺エルステ、ベルギー・ベルフィウス銀行、スイスUBS、仏BNPパリバなどが名を連ねている。