2014/2/12

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア利下げ、緩和局面終了

この記事の要約

ルーマニア国立銀行(BNR)は4日、主要政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.5%に設定した。昨年7月以来6度目の利下げで、体制転換後で最低水準を更新した。イサレスク総裁は金利が「適切な水準にある」と述べ、金融緩和局面 […]

ルーマニア国立銀行(BNR)は4日、主要政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.5%に設定した。昨年7月以来6度目の利下げで、体制転換後で最低水準を更新した。イサレスク総裁は金利が「適切な水準にある」と述べ、金融緩和局面が終了したことを示唆した。投資銀行HSBCトリンクハウス&ブルクハルトは、年内の金利維持を予測している。

トルコや南アなどの新興諸国が通貨下落を食い止めるために利上げを余儀なくされているのに対し、ルーマニアが利下げを継続した背景には、通貨レウの相場が比較的安定していることがある。トルコ・リラが過去1年でユーロに対して22%も値を落としたのに対し、レウはわずか2%安にとどまった。年初からはほぼ同じ水準を維持している。

12月の年間インフレ率が1.3%と物価上昇圧力が低いことも利下げを可能にした。

他の新興諸国同様、ルーマニアも経常赤字を抱えているが、その額は国内総生産(GDP)の2%程度と、トルコの7.4%、南アの6.1%よりもずっと小さい。このため、ルーマニアは国外からの資金流入への依存が比較的弱くなっている。

国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)から40億ユーロの予防的融資枠を認められていることも、安定につながっている。

IMFは昨年のルーマニア経済が2.8%拡大したと推測。今年は2.2%の成長を予測している。