2014/2/26

チェコ・スロバキア

チェコ大統領、テメリン原発の入札やり直しを表明

この記事の要約

チェコのゼマン大統領はこのほど、テメリン原発拡張工事の入札を仕切り直すべきとの考えを明らかにした。先の入札で応札していた仏アレバが要件不備を理由に脱落したことを受けたもので、返り咲きのチャンスを与えることで競争を促し、コ […]

チェコのゼマン大統領はこのほど、テメリン原発拡張工事の入札を仕切り直すべきとの考えを明らかにした。先の入札で応札していた仏アレバが要件不備を理由に脱落したことを受けたもので、返り咲きのチャンスを与えることで競争を促し、コストを引き下げる狙い。ただ、その目的が達成できるかどうかについては疑問の声もある。

テメリン原発の拡張計画は、原子炉2基を新設して発電能力を倍増するもの。現在の入札手続きでは、東芝の米国子会社ウエスチングハウスと、ロシア・チェコ連合MIR 2100が候補に残っている。落札事業者は当初、昨年秋までに決定される予定だったが、今年か来年にずれ込むことが確実視されている。

同入札に参加していたアレバは2012年10月、要件不備として候補から外された。同社はこれを不服としてチェコの裁判所に提訴しており、欧州連合(EU)の欧州委員会も競争法違反の疑いで事実関係の調査を始めた。

ゼマン大統領は訪問中の南ボヘミア地方で、仏アレバが入札に復帰すれば3社で受注を争うことになるとコメント。これにより発注価格が5%以上、低下するとの見方を示した。

業界関係者はこれに対し、アレバの製品は出力が大きく、必ずしも安くはならないと指摘する。また、アレバが現在進めている他のプロジェクトで計画が遅延しコストが拡大する傾向があることにも言及し、「節約」効果に疑問を投げかけている。

(東欧経済ニュース11月13日号「チェコ原発入札を欧州委が調査、アレバの脱落問題めぐり」、10月30日号「テメリン原発に発注差し止めの仮処分、アレバの申し立て受け」を参照)

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