2014/3/12

チェコ・スロバキア

墺ライフアイゼン、チェコの年金保険事業から撤退

この記事の要約

オーストリア金融大手のライフアイゼンは4日、チェコの個人年金保険事業からの撤退を表明した。昨年末に発足した社会民主党率いる新政府が、前政権下で導入された公的助成金のつかない民間年金ファンドが廃止され、今後の事業展開に期待 […]

オーストリア金融大手のライフアイゼンは4日、チェコの個人年金保険事業からの撤退を表明した。昨年末に発足した社会民主党率いる新政府が、前政権下で導入された公的助成金のつかない民間年金ファンドが廃止され、今後の事業展開に期待できなくなったためだ。

ライフアイゼンのチェコ年金保険会社RPSは、ジェネラーリPPF傘下の同業PSCPに顧客約1万3,000人を譲り渡すことで合意しており、第2四半期初めの移管手続き完了を見込む。今後は、ファイナンシャルプランニングや投資顧問業務に注力し、ライフアイゼンの投資商品などを提供する。

チェコの年金保険は従来、強制加入義務のある公的年金とこれを補うための公的助成付き拠出型民間年金ファンドの二本立てだったが、前政権による年金制度改革により2013年初めに公的助成金のつかない民間年金ファンドが導入された。

年金保険業界は新しい民間年金ファンドに半年間で約50万人が加入すると期待したが、昨年末時点での加入者は約9万2,000人にとどまっている。新政府は同年金ファンドの加入者を約490万人が加入する公的助成金付年金ファンドに組み込む考えだ。