2014/3/12

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

独STEAGのルーマニア風力発電プロジェクト、EBRDが4900万ユーロ融資

この記事の要約

ドイツの電力会社STEAGは4日、ルーマニアの風力発電プロジェクトに関連し、欧州復興開発銀行(EBRD)から4,900万ユーロの融資を受けることが決定した。総工費は約2億ユーロ(約2億7,500万米ドル)で、EBRDのほ […]

ドイツの電力会社STEAGは4日、ルーマニアの風力発電プロジェクトに関連し、欧州復興開発銀行(EBRD)から4,900万ユーロの融資を受けることが決定した。総工費は約2億ユーロ(約2億7,500万米ドル)で、EBRDのほかオーストリアのエルステ銀行が4,900万ユーロ、エルステ銀の子会社であるルーマニア商業銀行(BCR)も2,700万ユーロを融資する方向だ。エルステの融資額の90%についてはデンマーク輸出信用基金(EKF)が保証する。

融資対象となるのは、STEAGが南東部ドブロジャ地方で計画する出力108メガワットのクルチャ北風力発電パーク。すでに昨年末に予備工事が始まり、来年半ばに完工する予定という。EBRDによれば、年間14万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減効果が見込める。

ルーマニアは、(1)黒海沿岸地域で安定した風が見込める(2)2,000万人の豊富な人口(3)過去に再可エネ促進に向けた手厚い助成が存在した――ことで、チェコCEZをはじめとする国外投資家の多くをひきつけた。過去4年間にこれらの投資家が設置した風力発電設備の出力は合計で2,599メガワットに上り、同国に2基ある原子炉の出力を上回っている。

(3)の助成措置では、再生可能エネルギー事業者に対して発電量に応じグリーン証書を交付するとともに、電力供給会社や大口需要家に同証書の購入を義務付けている。政府は昨年、助成に起因する電力料金の上昇に歯止めを掛けるため、グリーン証書の交付数を減らし、同時に一部の証書の交付時期を2017年4月または18年以降に延期した。