2014/3/12

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア、財政赤字目標を引き下げ

この記事の要約

クロアチア政府は5日、2014年度の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で4.5%と1ポイント引き下げると発表した。財政再建策の実施による歳出削減と歳入の増加で財政赤字を圧縮できる見通しとなったため。 同国は13年7月 […]

クロアチア政府は5日、2014年度の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で4.5%と1ポイント引き下げると発表した。財政再建策の実施による歳出削減と歳入の増加で財政赤字を圧縮できる見通しとなったため。

同国は13年7月に欧州連合(EU)に加盟したばかり。EU財務相理事会は1月下旬、クロアチアに対して2016年までに財政赤字を対GDP比で3%以下に削減するよう勧告した。政府は健康保険料や宝くじ税、特許料の引き上げ、公営企業の利益の一部徴収などにより歳入増を図る一方、公務員の賞与廃止や農業・造船・国営鉄道に対する補助金削減を通じて歳出を削減する。ミラノビッチ首相は記者会見で、予算見直しは真の改革が始まったことの証明だと強調。「我々は借り入れを減らし歳出と財政赤字を削減する方向に進んでいる。これは構造改革と財政再建が続くという政治的メッセージだ」と述べた。

クロアチア経済は過去5年間マイナス成長が続いている。政府は1月、財政再建策の影響と民間投資の不振を理由に今年の成長率予想を1.3%から0.2%に大幅下方修正した。一方、国際通貨基金(IMF)は3日、マイナス0.5~マイナス1.0%と政府予測を大きく下回る見通しを発表している