2014/3/19

チェコ・スロバキア

スロバキア原発拡張計画、調査報告書が完成

この記事の要約

スロバキア原子力エネルギー会社(JESS)は13日、トルナバ近郊のスロフスケー・ボフニツェ原子力発電所の拡張計画に関する調査報告書をまとめ、環境省に提出した。欧州連合(EU)の環境政策に沿って二酸化炭素(CO2)を削減す […]

スロバキア原子力エネルギー会社(JESS)は13日、トルナバ近郊のスロフスケー・ボフニツェ原子力発電所の拡張計画に関する調査報告書をまとめ、環境省に提出した。欧州連合(EU)の環境政策に沿って二酸化炭素(CO2)を削減するには、原子力利用が不可避と結論付けている。原子炉を1~2基新設することで1,700~2,400メガワットの出力を確保する意向だ。

2021年着工、27年稼動、29年商業稼動を予定する。必要資金は1基新設した場合で40億~60億ユーロとなる見込みだ。

EU環境目標の達成に向けた再生可能エネルギーの利用については、スロバキアの気候や地形を踏まえると他の電源を補完する役割しか負えないと説明。50年までにエネルギー業界のCO2排出をほぼゼロにしない限り目標がクリアできないことを考えると、原発拡張が必要と結論付けた。

また、耐用年数に達した発電設備の更新を着実に進めることが肝要と指摘した。20年には10年の発電容量の44%に当たる設備が寿命を迎えるが、同時に電力需要が35年までに14~35%拡大すると予測されているためだ。

特に、ボフニツェ原発で稼動中の2基が予定通り25年に運転を停止すれば、スロバキアの電力安定供給を確保するのは難しいとしている。

JESSはボフニツェ原発における新炉設置を目的として09年に設立された。スロバキア国営のヤビス(JAVYS)とチェコ国営電力CEZが51対49の割合で出資している。