ロシア石油最大手のロスネフチが、世界5位のタイヤメーカーである伊ピレリの筆頭株主となる。伊大手銀行インテサ・サンパオロ、ウニクレディト、ピレリのプロヴェラ社長(ピレリ株式計26.2%を保有)と共同で新たな持株会社を設立し、同会社に50%出資することで13.1%を間接保有する形をとる。ロスネフチは今回の取引で5億ユーロを現金で支払うとともに、2億5,000万ユーロの債務も引き受ける。インテサ・サンパオロが17日、明らかにした。
ロスネフチ資本参加後の出資比率は、プロヴェラ社長が10.5%、インテサとウニクレディトが各1.3%となる。
ピレリはロスネフチからの出資受け入れでロシア事業の強化を狙う。ロスネフチが全国で展開するガソリンスタンド2,800店舗でピレリ製品を販売するとともに、タイヤや合成ゴムの原料となる原油の供給を受ける。
一方のロスネフチは、タイヤ用合成ゴムの開発に向けた提携パートナーとしてピレリを位置付けているもようだ。
ウクライナ情勢の緊迫で欧州連合(EU)が対ロシア制裁の強化を予告する中の取引発表となり、国営企業ロスネフチとの戦略提携がピレリのリスクになるという声も出ている。クリミア住民投票が行われた16日には、ロシア実業家ミハイル・フリードマン氏らによる独RWEの石油・天然ガス採掘子会社RWE-DEA買収も発表されている。