2014/4/2

ロシア

仏トタル、ルクオイルとの提携探る

この記事の要約

仏石油大手トタルがロシア同業のルクオイルと、タイトオイル(シェールオイル)事業における提携の可能性を探っている。英フィナンシャル・タイム紙が3月27日付で伝えた。欧米・ロシア関係が悪化する中でも欧米企業の対ロシア投資意欲 […]

仏石油大手トタルがロシア同業のルクオイルと、タイトオイル(シェールオイル)事業における提携の可能性を探っている。英フィナンシャル・タイム紙が3月27日付で伝えた。欧米・ロシア関係が悪化する中でも欧米企業の対ロシア投資意欲は消えていないようだ。

消息筋によると、両社は西シベリア・バジェノフ層の「非在来型資源」の合弁生産に向けて交渉しているが、合意するかどうかはまだわからない段階という。トタルとルクオイルはコメントを拒んでいる。

ルクオイルはこれまで国内資産の開発を単独で進めてきた。トタルとの提携が成れば、企業戦略を転換することになる。

同社はまた、ロシアの石油大手の中で唯一、欧米企業と未提携で、他の国際企業も協働関係を望む。独BASFのエネルギー子会社ヴィンタースハルも先ごろ、ロシア経済紙『ベドモスチ』の取材に対し、ルクオイルとの提携強化への関心を明らかにした。

ロシア政府は既存油田の生産量が減る中、非在来型資源の開発を進めて生産レベルを維持する方針だ。米エネルギー省の推定によると、同国の非在来型資源の埋蔵量は750億バレルに上る。

■欧米企業の思惑

トタルとルクオイルはクリミア紛争前に交渉を開始した。その後の外交的緊張にも関わらず交渉が続いている事実は、国際企業がロシア事業の継続を強く望んでいる現実を示している。

独シーメンスのケーザー社長は3月26日にプーチン大統領と会談し、対ロシア投資の継続およびガスプロムとの提携維持を確認した。

一方、ロシア直接投資基金は搾油大手サドルージェストヴォの株式買収(2億米ドル規模)で中国および近東の政府系投資基金に共同投資を提案。欧米以外からの資金調達も可能という姿勢を内外に示している。