2014/4/2

CIS諸国

ロシア、ウクライナ向けガス価格を大幅に引き上げ

この記事の要約

ガスプロムは1日、ウクライナに対する天然ガス供給価格を第2四半期から1,000立方メートル当たり385.5米ドルに引き上げると発表した。親ロシアのヤヌコビッチ大統領(当時)と12月に合意した価格を43.5%上回る水準で、 […]

ガスプロムは1日、ウクライナに対する天然ガス供給価格を第2四半期から1,000立方メートル当たり385.5米ドルに引き上げると発表した。親ロシアのヤヌコビッチ大統領(当時)と12月に合意した価格を43.5%上回る水準で、ウクライナ暫定政府に対する圧力を一段と高める。

ガスプロムのミレル社長は値上げについて、ウクライナの未払い債務が1日時点で17億ドルに上っているためと説明。同時に、ウクライナも以前の取り決めに従って送ガス料金を10%引き上げたと付け加えた。天然ガス料金は四半期ごとに見直すことになっていた。

新価格は対EU供給価格の平均(370ドル)をも上回る。暫定政府のヤツェニュク首相は、ウクライナが石油・ガス需要の半分以上をロシアに頼っている事実を踏まえ、EUからの支援が必要との立場を改めて示した。プロダン・エネルギー相もすでに27日の段階で、エッティンガー欧州エネルギー担当委員にEUからのガス供給交渉の加速を要請している。

暫定政権はIMFの要求に従い、来月から一般世帯へのガス料金を50%、7月から事業者向け料金を40%引き上げる。さらに、2018年まで段階的に値上げする予定だ。

ウクライナではこれまで政府がガス料金を補助し、仕入れ値を下回る価格で消費者に供給していた。(東欧経済ニュース本日号「IMF、ウクライナに金融支援へ」を参照)