2014/4/9

ロシア

ノリリスク・ニッケル、2013年は64%の大幅減益

この記事の要約

ニッケルとパラジウムの世界最大手であるノリリスク・ニッケルが7日発表した2013年12月通期決算の純利益は7億6,500万米ドルとなり、前期比で64.3%減少した。ニッケル価格の下落と、企業再編に伴う減損処理が足を引っ張 […]

ニッケルとパラジウムの世界最大手であるノリリスク・ニッケルが7日発表した2013年12月通期決算の純利益は7億6,500万米ドルとなり、前期比で64.3%減少した。ニッケル価格の下落と、企業再編に伴う減損処理が足を引っ張った。売上高は7%減の115億ドル、本業のもうけを示す営業利益(EBITDA)は14.9%減の41億9,800万ドル

だった。

昨年は供給過剰を背景に、ニッケルが過去4年で最安値を記録。市場価格は平均14%下落した。同社はまた、採算性の高い工場に生産を集中させる戦略を打ち出しており、これに伴う当期資産償却費は8億4,100万ドルに上った。金融資産の評価替えでも7億2,800万ドルの特別費を計上した。特別項目を除く最終利益は25億8,100万ドルで、減益幅は15.1%にとどまったとしている。

今期については、インドネシアのニッケル鉱石禁輸ですでに19%上昇しており、慎重ながらも業績回復が見込めるとしている。

■日中企業と交渉

3月末の現地報道によると、ノリリスクはニッケルとパラジウムの長期供給に向けて、日本と中国の企業と交渉中だ。クリミア紛争をめぐって欧米との関係が悪化する中、アジアとの取引拡大を狙う。

もう一つの主要生産国である南アフリカで1月から鉱山労働者のストライキが続き、長期的に調達先を確保したい需要家と利害が一致した格好だ。

ノリリスクは現在、売上高の65%を北米・欧州市場で稼いでいる。アジアの比率は25%と比較的小さい。

パラジウムの世界市場シェアはロシアが42%、南アが37%。プラチナはロシアが14%、南アが72%となっている。