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2014/4/16

総合・マクロ

アドリア海横断パイプライン、アルバニア当局から開発許可を取得

この記事の要約

アゼルバイジャン産の天然ガスを欧州に輸送するアドリア海横断パイプラインの事業会社(TAP AG)は8日、アルバニア国土協議会(KKT)からTAP第1期複合開発許可(CDCフェーズ1)を取得したと発表した。CDCフェーズ1 […]

アゼルバイジャン産の天然ガスを欧州に輸送するアドリア海横断パイプラインの事業会社(TAP AG)は8日、アルバニア国土協議会(KKT)からTAP第1期複合開発許可(CDCフェーズ1)を取得したと発表した。CDCフェーズ1はパイプライン敷設に必要な道路・橋梁の建設・近代化工事を許可するもので、TAP AGは来年から工事作業に取りかる。本来のパイプライン敷設工事(CDCフェーズ2)にはエネルギー省による許可が必要となる。

TAPは、トルコ国境に近いギリシャのキポイでアナトリア縦断ガスパイプライン(TANAP)に接続し、ギリシャ、アルバニア、アドリア海を経由してイタリア南部に到達する。全長はおよそ870キロメートル。

アゼルバイジャンのシャー・デニズ第2フェーズ開発鉱区から南コーカサス・パイプライン(SCP)、TANAPを通して運ばれる天然ガスを欧州の供給ラインに送り込む役割を果たす。

シャー・デニズ第2フェーズ開発企業連合は昨年6月、欧州供給ルートとして採算性に優れたTAPを選択した。その結果、競合パイプラインであったナブッコ計画は実施を断念した。

TAPの出資比率は英BP、アゼルバイジャンSOCAR、ノルウェー・スタトイルが各20%、ベルギー・フラクシスが16%、仏トタルが10%、独エーオンが9%、スイス・アクスポが5%となっている。