2014/5/7

総合・マクロ

EU・露・ウクライナがガス供給で合意できず、月内に再協議

この記事の要約

EU(欧州連合)とロシア、ウクライナは2日、ポーランドの首都ワルシャワでエネルギー担当相による会合を開き、ロシアからウクライナおよび欧州への天然ガス供給について協議した。ロシア側はウクライナが5月中に滞納している代金を支 […]

EU(欧州連合)とロシア、ウクライナは2日、ポーランドの首都ワルシャワでエネルギー担当相による会合を開き、ロシアからウクライナおよび欧州への天然ガス供給について協議した。ロシア側はウクライナが5月中に滞納している代金を支払わなければ、6月から同国へのガス供給を制限すると警告しており、そうなれば欧州向けの供給にも影響が及ぶ可能性がある。ロシアとウクライナの間ではガス供給を継続するための条件をめぐって主張の隔たりが大きく、打開策を見出すことはできなかった。3者は5月中に改めて協議を行うことで合意した。

ロシア側によると、ウクライナは今年3、4月分のガス代金を支払っておらず、滞納額は約35億ドルに上る。露国営ガス会社のガスプロムは滞納を口実に、ウクライナに対して6月分からの全額前払いを供給継続の条件として提示。さらに同国向けのガス料金を従来の1,000立法メートル当たり268.5ドルから485ドルと、約80%の値上げに踏み切った。これに対し、ウクライナはロシア側が設定した料金は市場価格を逸脱しており、差別的だと批判。プロダン・エネルギー相は協議の席で、一方的な値上げは契約違反と指摘し、仲裁裁判所に提訴する考えを明らかにした。

欧州委のエッティンガー委員(エネルギー政策担当)は協議後の会見で、5月中旬と下旬に改めて3者協議を行い、ウクライナ向け天然ガスの料金や供給量などについて妥協点を探る方針を明らかにした。

ウクライナ情勢をめぐり欧米とロシアの間で緊張が高まるなか、ガス料金をカードに欧米寄りのウクライナ政府に揺さぶりをかけるプーチン政権に対し、EUは欧州からウクライナに天然ガスを「逆流」させるなどの対策を取る方針を打ち出している。ただ、ロシアのノバク・エネルギー相は今回の会合で、ウクライナへのガス供給が滞れば、同国を経由する欧州向けの供給にも影響が及ぶ恐れがあると警告しており、3者による再協議の行方が注目される。

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