2014/5/7

総合・マクロ

「東方拡大」から10年、中東欧経済は順調に成長

この記事の要約

2004年5月に中東欧8カ国が欧州連合(EU)に一斉加盟した「東方拡大」から10年が経過した。事前の懸念とは裏腹に、これらの諸国は立派な欧州の一員としての立場を築き上げている。 ドイツ銀行の調査部門DBリサーチによると、 […]

2004年5月に中東欧8カ国が欧州連合(EU)に一斉加盟した「東方拡大」から10年が経過した。事前の懸念とは裏腹に、これらの諸国は立派な欧州の一員としての立場を築き上げている。

ドイツ銀行の調査部門DBリサーチによると、金融危機や欧州債務危機の打撃は大きかったものの、中東欧8カ国の国内総生産(GDP)は順調に成長した。1994年にEU平均の41%だったのが2012年には61%まで伸びている。07年加盟のルーマニアとブルガリアを合わせた中東欧10カ国が13年のEU域内総生産に占める割合は55%を超えた。

10年間で経済が最も伸びたのはスロバキアで、加盟時と比べて143%の拡大を示した。自動車や機械など「欧州の工場」として居場所を確保した格好だ。2位はラトビア、3位はエストニア、4位はポーランドだった。これら4カ国の年平均成長率は3.4%に上った。

加盟前の法整備の道は決して平坦ではなかったが、これが司法国家としての信頼につながり、経済の成長にも大きく貢献した。さらに、スロベニア、スロバキア、エストニア、ラトビアの4カ国は欧州単一通貨ユーロの導入にも成功した。

一方で、東方拡大時に懸念された旧加盟国への「安価な労働力の大量流入」は杞憂(きゆう)に終わったようだ。ドイツ経済研究所(DIW)によると旧加盟国の就業者に占める新規加盟国出身者の比率は0.9%に過ぎない。