2014/5/14

総合・マクロ

ロシア、ウクライナへのガス供給に前払い制適用

この記事の要約

ロシアのノヴァク・エネルギー相は8日、来月からウクライナへの天然ガス供給に前払い制を適用する方針を明らかにした。4月分の代金(35億米ドル)が滞納となっているためで、契約条項に基づき請求方法を変更するとしている。ウクライ […]

ロシアのノヴァク・エネルギー相は8日、来月からウクライナへの天然ガス供給に前払い制を適用する方針を明らかにした。4月分の代金(35億米ドル)が滞納となっているためで、契約条項に基づき請求方法を変更するとしている。ウクライナはガスプロムが先月に1,000立方メートル当たりの販売価格を480ドルに引き上げたのを受け、請求額の支払いを拒否している。

ノヴァク・エネルギー相によると、15日までに6月分の請求書を作成する。月末までの入金額に応じて6月の供給量を決めるとしている。

ウクライナのプロダン・エネルギー相によると、同国の天然ガス需要は年間で約300億立方メートル。欧州からの輸入で65億立方メートルをまかなうが、残りは他の地域から調達しなければならない。

■リトアニア社には値引き

一方、ガスプロムはリトアニアのガス供給会社リエトゥヴォス・ドゥーヨスへの供給価格を大きく引き下げた。9日、契約締結の報告を受けたブトケビチュース首相が明らかにしたもので、来年末の契約期限まで有効となる。

調達価格は公表されていないが、「地域の競合企業と比べても競争力のある水準(同首相)」という。消費者の支払う料金は既定の手続きによって算出し、エネルギー業界監視当局(VKEKK)の許可を経て決まる。新料金の適用は7月から。

リエトゥヴォス・ドゥーヨスは独エーオン(出資比率:38.9%)、ガスプロム(37.1%)、リトアニア電力(17.7%)などが出資する。リトアニアの天然ガス需要の約40%を輸入している。