2014/5/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア首相、汚職疑惑の財務相を解任

この記事の要約

クロアチアのミランコヴィッチ首相(社会党、SDP)は6日、リニッチ財務相(SDP)を解任した。木材加工会社に対する免税置をめぐり汚職の疑いがかかっているためだ。SDPの人気政治家として知られるリニッチ氏の解任で、党内の足 […]

クロアチアのミランコヴィッチ首相(社会党、SDP)は6日、リニッチ財務相(SDP)を解任した。木材加工会社に対する免税置をめぐり汚職の疑いがかかっているためだ。SDPの人気政治家として知られるリニッチ氏の解任で、党内の足並みがそろっていない現状が浮き彫りとなった。後任にはラロヴァッチ副財務相が就任する。

問題となっているのは、リニッチ氏に近いとされる木材加工会社に対する免税措置だ。クロアチアは経営破綻に瀕している企業に、税金を土地で代納することを認める規定を導入したが、このケースでは地価が不当に高く計算されたという。リニッチ氏が当初、取引に反対していたのに、その立場を翻したことも汚職への疑いを濃くしている。

クロアチアでは旧ユーゴスラビア解体以降、保守派のクロアチア民主同盟(HDZ)が政権の座にあった。しかし、2011年、景気が後退する中で、当時首相を務めていたサナデル党首の大規模汚職が表面化。選挙を通じて、SDP、国民党(HNS)、イストリア民主会議(IDS)から成る中道左派連立政権がようやく成立した経緯がある。

しかし、ミランコヴィッチ政府にも、国の競争力強化に向けた経済改革への取り組みは弱い。欧州連合(EU)の過剰財政赤字手続きで提出を求められた経済措置も短期的なものばかりで、根本的解決は先送りだ。

クロアチア経済は09年以来、5年連続で縮小している。