2014/5/14

ロシア

セベルスタリ、米国製鉄所の売却を検討=米紙報道

この記事の要約

ロシア鉄鋼大手のセベルスタリが米国の2製鉄所の売却を検討している。ブルームバーグ通信が12日、関係筋2人からの情報として伝えたもので、すでに複数の買収提案が寄せられているという。ただ、現在のところセベルスタリの流動資金は […]

ロシア鉄鋼大手のセベルスタリが米国の2製鉄所の売却を検討している。ブルームバーグ通信が12日、関係筋2人からの情報として伝えたもので、すでに複数の買収提案が寄せられているという。ただ、現在のところセベルスタリの流動資金は十分で、売却する必要はない。アナリストらは、取引が成立するかどうかは提示額次第とみている。

対象となっているのは、ミシガン州ディアボーン製鉄所と、ミシシッピー州コロンブス製鉄所だ。今年1-3月期には、両製鉄所と石炭事業を合わせた米国事業売上が10億米ドルに上り、グループ全体の3割を占めた。

9日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙によると、USスチールとブラジルのコンパニア・シデルルジカ・ナシオナル(CSN)が買収提案を行った。セベルスタリは15億ドル以上を要求しているもようだ。

市場関係者は、セベルスタリに売却を迫る要素がないため、両製鉄所売却の動機が、ウクライナ紛争を背景とした欧米諸国との関係悪化にあるのではと推測している。モルダショフ最高経営責任者(CEO)はロシア10位の富豪で、プーチン大統領と親しいことで知られる。

セベルスタリは2004年のルージュ・インダストリーズ買収に伴いディアボーン製鉄所を取得。以来10億ドルを投資した。同製鉄所はデトロイトの自動車工場を顧客に持つ。

一方のコロンブス製鉄所は2007年に操業を開始したグリーンフィールド・プロジェクトだ。投資残高は10億ドルを超え、くず鉄を原料に鉄鋼を生産している。

オハイオ州、メリーランド州、ウェストバージニア州の製鉄所は、すでに11年に米投資会社のレンコへ売却した。