2014/5/21

コーヒーブレイク

ルービックキューブが40歳に~ハンガリー

この記事の要約

ルービック・キューブを覚えていらっしゃるだろうか。そう、赤・青・黄など色も鮮やかなあの立方体パズルだ。このパズルが生まれて今年で40周年となるが、考案したのは実はハンガリーの人だった。 発明者のルビク・エルネーさんは19 […]

ルービック・キューブを覚えていらっしゃるだろうか。そう、赤・青・黄など色も鮮やかなあの立方体パズルだ。このパズルが生まれて今年で40周年となるが、考案したのは実はハンガリーの人だった。

発明者のルビク・エルネーさんは1974年当時、29歳。建築家として働いていたとき、学生が三次元で考える能力を身につけられるようにと考えて作ったという。2年後の76年にハンガリーで特許を取得、77年に見本品1個が英国に送られた。これをある米国企業が発見して79年に世界販売権を取得し、翌80年からの世界的ヒットにつながった。82年までの3年間で1億6,000万個が売れたという。

一方で数学者たちは、ルービックキューブを解くのに最小限必要な手数(回す回数)が何手かを探して遊び始めた。学者らは伝統的な証明を打ち立て、高性能コンピューターは数十億種類におよぶ組み合わせから色合わせを計算した。これにより、どんなに複雑な組み合わせになっていても「20手あれば色がそろう」ことが明らかになったという。

基礎研究から「実用研究」に移行した学者もあった。ルービックキューブ界で有名なチェコ出身の数学者、イェシカ・フリドリヒ教授は比較的少ない手数で色をそろえる「フリドリヒ法(ジェシカ法)」を考案。自らも「スピード・キューバー」として腕を鳴らした。

「スピード・キューブ」といえば、現在の最速記録保持者はオランダのマッツ・ファルク君(16)。昨年打ち立てた世界記録は5.55秒というからすごい。しかし、実はファルク君の世界記録を破る輩がいる。数学的な規則性に長けているコンピューターたちだ。最近では「キューブ・ストーマー3号」が最速記録を塗り替えた。かかった時間は3.25秒だ。

しかし、ルービック・キューブで放課後の時間をつぶした筆者としては、なんだかあっけなさすぎる気がする。「解けないなー」と思いながら回し続け、2面そろって喜ぶような、そんな楽しみ方もあっていいのではないだろうか。