2014/6/25

コーヒーブレイク

「ジャパン・ホテル」の売却決定~ブルガリア

この記事の要約

ブルガリアの首都ソフィアにある通称「ジャパン・ホテル」の売却が決まった。日本の誇る建築家、黒川紀章氏の設計で1979年に開業したケンピンスキー・ホテル・ゾグラフスキ・ソフィアがそれだ。 このホテルは市の南部の高台に位置す […]

ブルガリアの首都ソフィアにある通称「ジャパン・ホテル」の売却が決まった。日本の誇る建築家、黒川紀章氏の設計で1979年に開業したケンピンスキー・ホテル・ゾグラフスキ・ソフィアがそれだ。

このホテルは市の南部の高台に位置する5つ星ホテル。ホテル内には「バルカン半島唯一」の日本庭園があり、庭を眺めながら寿司屋「ハッピー・スシ」で食事をとることもできる。

ネット百科事典の「ウィキペディア」などによると、1979年の開業当時は日本のニューオータニ・グループの一員だったが、1994年にブルガリア出身の実業家、イヴァン・ゾグラフスキ氏が買収。1997年からケンピンスキ・グループに加盟した。

2007年にゾグラフスキ氏が他界した後、国に対する債務が残っていたため、政府が差し押さえて売却の可能性を探っていた。

今回ホテルを買収したのはブルガリアのホテル経営者ヴェトコ・アラバジエフ氏だ。現地紙『プレッサ』によると、政府は当初2億ユーロの売却益を見込んでいたが、実際は4,500万~5,500万ユーロでの取引となったという。ちなみに、ゾグラフスキ氏が1994年に買収したときの取引額は6,500万ドイツマルク(約3,320万ユーロ)だった。

宿泊客の口コミをみると、従業員のサービスはとても良いが、設備の古さがネックとなっているようだ。30年前ならともかく今の規準なら「3つ星」だろうという意見もある。

一方で「旧共産圏の雰囲気が味わえる」という書き込みもあり、少し変わった体験をしたい人にはいいかもしれない。また、宿泊料金がツイン1泊50ユーロからと比較的安いため、清潔ならば設備が古くても良い旅行者には「お得感」があるようだ。