ロシアでビール広告規制が緩められる。サッカー世界選手権(W杯)が開かれる2018年までの時限措置で、スポンサー獲得が狙い。ビールメーカーはこの措置を一様に歓迎している。
ロシアでは04年以降、アルコール飲料の広告規制を強めてきた。今ではテレビ、ラジオ、インターネット、プリントメディア、公共交通機関、屋外広告、スポーツ会場および会場から100メートル以内の場所などに禁止が広がり、広告できる場を探す方が難しい。
しかし、スポーツイベントの開催には膨大な資金が必要だ。W杯準備で地元の支出が増える中、財政赤字を抱えるロシア政府としては、追加的「財源」をみすみす逃すわけにはいかない。
このため、プリントメディアで最初と最後のページを除いてビール広告を解禁。また、テレビではスポーツイベントの生中継放送に限り、コマーシャルの放映を認める。
W杯に向けたロシアの公的支出は推定200億米ドル。蘭ハイネケンによれば、今回の規制緩和でビール会社のスポーツイベント関連広告支出は50億ルーブル(1億4,500万ドル)に上りそうだ。