2014/7/30

ハンガリー

「外貨建てローンの転換、年末までに」=ハンガリー国家経済相

この記事の要約

ハンガリーで社会的問題となっている外貨建て住宅ローン問題をめぐり、政府は年末までにすべての外貨建てローンをフォリント建てに転換する方針だ。ヴァルガ国家経済相が22日付けのオーストリア有力紙『デア・シュタンダルト』に掲載さ […]

ハンガリーで社会的問題となっている外貨建て住宅ローン問題をめぐり、政府は年末までにすべての外貨建てローンをフォリント建てに転換する方針だ。ヴァルガ国家経済相が22日付けのオーストリア有力紙『デア・シュタンダルト』に掲載されたインタビューで語った。

ハンガリーでは先ごろ、成立した外貨建て住宅ローン債務者救済法が成立した。通貨売買マージン(貸し付けの際の為替レートと、毎月返済額を計算するために適用されるレートの差)や一方的な金利変更により銀行が得た不当な利益をローン債務者に補償することを義務付けるもので、オーストリアの大手銀行を含むハンガリーで営業する銀行は巨額の負担を迫られる。これに加えて、外貨建てローンがフォリント建てに転換されることになれば、銀行の負担はさらに膨らむ。ただ、ヴァルガ国家経済相は今日の事態を招いた最大の責任は銀行にあると指摘。「国家がすべてのコストを負うというのはおかしな話だ」と述べ、政府方針の正当性を強調した。

ヴァルガ氏によると、国内の外貨建て住宅ローン契約は約35万件に達しており、多くの債務者が困窮したり、家を失う危機に直面している。同氏は、ハンガリーだけでなくクロアチア、ルーマニアやポーランドも程度の差こそあれ同様の問題に悩まされていると指摘するとともに、「オーストリアの銀行は、世界金融危機以前にマーケットを獲得するためにとったアグレッシブな戦略の報いを受けている」と述べた。