2014/8/6

ロシア

ズベルバンク、独自の決済カードを発行

この記事の要約

ロシア最大手銀行で国営のズベルバンクは4日、同行の決済システム「PRO 100」が使えるユニバーサル電子カード(UEC)の発行を全国で開始したと発表した。米国の対ロシア制裁で国際決済サービス大手を通じた支払いができなくな […]

ロシア最大手銀行で国営のズベルバンクは4日、同行の決済システム「PRO 100」が使えるユニバーサル電子カード(UEC)の発行を全国で開始したと発表した。米国の対ロシア制裁で国際決済サービス大手を通じた支払いができなくなっている状況に対処する。当初は国内決済のみを扱うが、将来的には国外の決済事業者と提携し、世界で支払いができるようにする。

米国はこれまでに、VTB、モスクワ銀行、ロシア農業銀行を含む特定のロシア金融機関と取引することを禁じている。これを受けて、ロシアのクレジットカード市場で合計85%のシェアを握っていたマスターカードとビザが、これらの銀行と取引を停止した。

UECはIC身分証明書として採用されており、インターネットを通じて電子政府サービスを受けることができる。国内決済機能がついているが、これまでの発行枚数は80万枚にとどまっている。

■独自決済システムを開発=中銀

ロシア中央銀行は7月28日、独自の決済システムを一から構築する方針を明らかにした。米国の決済サービスに頼らない体制を整え、同時に中立のシステムを採用することで国内銀行間の対立を回避する。新システムは来年に運用を開始する予定だ。

これまでは、「PRO 100」やカード発行枚数1,900万枚を誇る「ゾロタヤ・コロナ(金冠)」を基盤に独自システムを構築するとみられていた。ただ、最大手ズベルバンクの市場地位がさらに強化されるとみる他の金融機関が「PRO 100」の採用に強硬に反対。対立を解消するため、中立的なシステムを開発することにしたもようだ。