2014/8/20

総合・マクロ

EUが域内の農家に特別支援、露の輸入禁止に対応

この記事の要約

欧州委員会は18日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗してEUからの農産物輸入を禁止したことを受けて、影響を受ける域内の農家に特別支援を実施すると発表した。トマト、ブドウなど13品目の生鮮野菜、果物の生産 […]

欧州委員会は18日、ロシアがウクライナ問題をめぐる欧米の経済制裁に対抗してEUからの農産物輸入を禁止したことを受けて、影響を受ける域内の農家に特別支援を実施すると発表した。トマト、ブドウなど13品目の生鮮野菜、果物の生産者を対象に、総額1億2,500万ユーロの補助金を提供する。

支援対象となるのは、トマト、ニンジン、キャベツ、ピーマン、カリフラワー、キュウリ、ガーキン(キュウリの一種)、マッシュルーム、リンゴ、洋ナシ、ベリー類、ブドウ、キウイの生産者。これらは収穫期を迎えており、ロシアに代わる出荷先をすぐに見つけるのが難しいことから、補償を行うことを決めた。行き場を失った作物が域内市場に流通することで、供給過剰となって値崩れを起こすのを防ぐため、収穫を取りやめたり、作付けを減らす生産者にも補助金を支給する。支援実施期間は18日から11月末まで。

ロシア政府は7日、欧米の制裁に対する対抗措置として、EU、米国、オーストラリア、カナダ、ノルウェー産の青果や肉類、乳製品などの輸入を1年間禁輸すると発表していた。EUによると、域内からロシアへの2013年の輸出額は果物が12億6,000万ユーロ、野菜が7億6,900万ユーロに上る。

欧州委は域内の農産物、食品業界がロシアの禁輸措置でどれだけ影響を受けるか注意深く見守り、必要に応じて追加支援を検討するとしている。