2014/8/20

ロシア

ロスネフチ、15兆ルーブルの政府支援を要請

この記事の要約

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが政府に総額15兆ルーブル(310億ユーロ)の支援を要請した。欧米諸国の対ロシア制裁を受けたものだ。政府は月末までに回答する予定だが、ロスネフチが短期的に資金不足に陥る危険は小さく、要請 […]

ロシア石油最大手で国営のロスネフチが政府に総額15兆ルーブル(310億ユーロ)の支援を要請した。欧米諸国の対ロシア制裁を受けたものだ。政府は月末までに回答する予定だが、ロスネフチが短期的に資金不足に陥る危険は小さく、要請を拒否する公算が高い。

ロスネフチの最近の財務データによると、今年償還する債務は4,400億ルーブル(90億ユーロ)、来年は6,260億ルーブル(130億ユーロ弱)に上る。しかし、同社は返済するに十分な利益を稼ぎ出しているほか、中国から多額の融資枠を認められており、資金繰りの問題はない。

一方、欧米諸国の制裁で、非在来型原油層やオフショア鉱区の開発に必要な設備を調達できないため、長期的には影響が出る見通し。

米投資銀行メリルリンチのアナリストは、欧米の対ロシア制裁でロスネフチという一企業だけでなく、ロシア経済全体が打撃を受けると指摘する。巨大油田の開発が遅れて減る直接投資(8,000億米ドル)の数倍の影響が出る可能性があるという。

現状のままでは、ロシア経済は今後縮小に向かうと予想される。投資が急減し、巨額の資金が国外に流出している。国民の高齢化も進み、年金財源の不足も必至だ。