2014/8/27

ロシア

米マクドナルドの支店に営業停止処分=消費者保護局

この記事の要約

ロシア連邦消費者保護・福利監督局(Rosportrebnazador)は20日、米ファストフード大手マクドナルドがモスクワで展開する3店舗について、衛生基準に違反したとして、営業停止処分にした。ウクライナ情勢をめぐって米 […]

ロシア連邦消費者保護・福利監督局(Rosportrebnazador)は20日、米ファストフード大手マクドナルドがモスクワで展開する3店舗について、衛生基準に違反したとして、営業停止処分にした。ウクライナ情勢をめぐって米ロ関係の緊張が増す中の出来事で、政治的判断が背景にあるとみられている。ロシアはこれまでも政治的に対立する国の食品を禁輸して圧力をかける手法をとっており、今回はほかに米国産ウィスキーも標的となっている。

消費者保護局は先月下旬、西部ノヴゴロド市の支店で原材料表示違反が見つかったとし、マクドナルドでの本格調査を予告していた。モスクワ支店の立ち入り検査はこれに関連するもので、ほかにエカテリンブルグ、ペトロザヴォーツク、チェリャビンスク、ウファ、カザンの支店も対象となっているもようだ。

マクドナルドはロシアで400店舗以上を展開し、今年もシベリアを中心に新規出店を計画していた。しかし、4月には米国政府がロシア統制下のクリミア半島で営業活動する企業に制裁を課す方針を発表したため、同半島の支店を閉鎖するなど、政治の影響を受け始めている。ロシア事業は営業利益への貢献率こそ5%に過ぎないものの、その将来性からグループ戦略の重点の一つとなっている。

なお、営業停止処分となった店舗には1990年にオープンしたモスクワ・プーシキン広場の第1号店が含まれている。「西側の味」を試そうと集まった人が長蛇の列を作り、東西冷戦の終結を象徴する出来事となった。