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2014/8/27

コーヒーブレイク

愛国クライマーが「犯行声明」~ロシア

この記事の要約

モスクワ中心地にあるソ連様式の高層ビルのてっぺんに何者かがウクライナ国旗を掲げた事件で、「ムスタング・ウォンテッド」を名乗るウクライナ人フリークライマーが21日、ネットを通じて自らが「犯人」であることを認めた。警察当局が […]

モスクワ中心地にあるソ連様式の高層ビルのてっぺんに何者かがウクライナ国旗を掲げた事件で、「ムスタング・ウォンテッド」を名乗るウクライナ人フリークライマーが21日、ネットを通じて自らが「犯人」であることを認めた。警察当局が逮捕したロシア人男女4人の仕業ではなく、当局が1つだけ条件を呑めば出頭するとしている。

この事件は21日朝、クレムリン宮殿から1キロしか離れていない高さ176メートルの高層住宅で発見された。塔の上にすえられているソ連のシンボルの星が、ウクライナ国旗の色である青と黄色に塗られ、その先に国旗が立てられていた。

警察当局は住宅近くでクライミング用の装備を持っていた若者4人を逮捕。「騒乱罪」で起訴する方針を示していた。

ムスタングはこの4人が無実だとして、高層住宅の頂上で撮った「証拠写真」を公開。これにはその顔の一部が写っている。

ウクライナ独立記念日の24日にはモスクワ大学の頂上から撮影された動画も公開した。すべては「愛国心」のなせる業と説明し、モスクワの高層ビル登頂を「ウクライナのために戦う人々に捧げ」ている。

さて、ムスタング自首の条件はというと、ロシア人ジャーナリスト2人の「殺害」に関与したとして、ロシアで拘束されているウクライナ軍のパイロット、ナジェシュダ・サフチェンコさんの解放。懲役7年の最高刑もいとわず、裁判に挑む覚悟だ。