2014/9/3

総合・マクロ

NATOが東欧防衛体制を強化、ロシアを仮想敵国に

この記事の要約

北大西洋条約機構(NATO)は、英ニューポートで4日と5日に開かれる首脳会議を前に、東欧における防衛体制を強化する方針を固めたもようだ。ウクライナをめぐるロシアとの関係悪化を踏まえたもので、東欧の5カ所に基地を新設するほ […]

北大西洋条約機構(NATO)は、英ニューポートで4日と5日に開かれる首脳会議を前に、東欧における防衛体制を強化する方針を固めたもようだ。ウクライナをめぐるロシアとの関係悪化を踏まえたもので、東欧の5カ所に基地を新設するほか、4,000人規模の「速攻部隊」を新たに編成する。侵攻を受けたときの対応にかかる時間を大幅に短縮することで、衝突を未然に防ぐ狙いだ。

報道によると、NATO加盟国はロシアを「欧州・北大西洋地域の安全を脅かす」存在と定義。「即応行動計画」を採択して、迅速な反撃が可能な体制を作る。

まず、バルト三国およびポーランド、ルーマニアの5カ国に新たな基地を設け、それぞれ300~600人体制で偵察・搬送・軍事作戦策定に当たる。戦車を含めた兵器もあらかじめ配備する。

また、加盟国持ち回りの形で小規模の戦闘部隊を5カ国に常駐させる。ロシアからの攻撃を想定し、数千人規模の演習を実施する。

これとは別に、4,000人規模の「速攻部隊」も創設する。平時は加盟各国に駐屯するが、非常時には2~7日で戦地に集結できるようにする。2004年に創設した「即応部隊(Response Force)」の再編の一環で、従来よりも一段と速く戦闘態勢に入ることが可能となる。

NATOは、ロシアがウクライナ東部で「ハイブリッド戦争」を展開していると認定。親ロ武力集団への物的・人的支援、宣伝や誤情報の流布による扇動など、さまざまな手法を駆使して東部の政情不安定化を図っていると批判している。