2014/9/3

ポーランド

ポーランド国鉄、7年間で150億ユーロを投資

この記事の要約

ポーランド国鉄(PKP)は今年から2020年までの7年間で150億ユーロを投資する方針だ。これは過去最大の規模に当たる。インフラを改修して鉄道を高速化するほか、貨物輸送では海港との接続を改善する。また、入札は価格以外の要 […]

ポーランド国鉄(PKP)は今年から2020年までの7年間で150億ユーロを投資する方針だ。これは過去最大の規模に当たる。インフラを改修して鉄道を高速化するほか、貨物輸送では海港との接続を改善する。また、入札は価格以外の要素を加味して発注先を決める方式に改め、工事が確実に進むよう配慮する。

投資総額150億ユーロのうち140億ユーロは発表済みの「2014~20年度国鉄計画」が占める。インフラ整備に振り向けられる120億ユーロでは、欧州連合(EU)が96億ユーロを助成。残りを国とPKPが負担する。

プロジェクトの柱の一つは貨物輸送の高速化だ。ポーランドの平均運行速度は時速30キロメートルと西欧の水準(50キロメートル)に大きく遅れをとっている。

旅客部門では現在、◇ワルシャワーグダニスクーグディニャ線(E65)◇クラクフーカトヴィツェージェシュフ線(E30)――の近代化が同時進行中。年内に仏アルストム製の高速列車「ペンドリーノ」の運行が始まる予定だ。

旅客案内の充実化に向けても、来年中に10億ズロチ(2億3,700万ユーロ)のプロジェクトがスタートする。全国のプラットホーム全てに液晶装置を設け、発着時刻や遅れなどの情報を表示する。

PKPはまた、2014~20年のEU中期予算に関連するプロジェクトの入札準備を進めている。

大型プロジェクトについては2段階の手続きを踏む新しい方式を採用する。業者選定基準で応札価格の比重を小さくするほか、前払い金の支払い手続きを簡易化して受注企業の資金繰りを改善する。工事の進捗状況は段階に分けて点検し、遅れている場合には違約金の請求を検討する。

なお、PKPはこのほかにも、駅舎の新改築に総額10億ズロチ(2億3,700万ユーロ)を支出する計画だ。駅ビルを建設して売却・賃貸し、投資資金を回収する。今年は21駅(投資額2億1,000万ズロチ)が完工し、23駅(5億1,400万ズロチ)が着工する予定だ。

(1PLN=32.54JPY)