2014/9/3

ロシア

ウラジオストクに自動車産業経済特区の構想が浮上

この記事の要約

ロシア経済紙『コメルサント』の報道によると、ロシアのメドベージェフ首相はこのほど、ウラジオストクに経済特区を創設する構想を発表した。同構想には日本の自動車メーカー「マツダ」がすでに関心を寄せており、組み立て工場の設立が検 […]

ロシア経済紙『コメルサント』の報道によると、ロシアのメドベージェフ首相はこのほど、ウラジオストクに経済特区を創設する構想を発表した。同構想には日本の自動車メーカー「マツダ」がすでに関心を寄せており、組み立て工場の設立が検討されているという。具体的には、ロシア自動車メーカー「ソレルス」とマツダの合弁事業となる見通しで、ロシア側が投資額の90%を負担し、残りを日本と韓国が5%ずつ折半する格好になるという。

経済特区では企業に対し法人税の軽減などの特典が与えられる一方、現地にも自動車産業を中心に約3,400人の新規雇用が創出されるメリットがある。ただ、ウラジオストクの沖合のルースキー島にカジノ特区を創設するという構想が2012年のAPEC開催直前に見直されるなど、極東の経済特区構想は必ずしも順調とは言いがたい。ロシアの投資会社「フィナム・マネジメント」の上級アナリストであるバラノフ氏も「精神的な効果は期待できる」とした上で「新たな経済特区の効果が極東全域に波及するとは考えにくい」と述べ、慎重な姿勢を崩していない。