2014/9/3

ロシア

アエロフロート、景気減速で赤字転落

この記事の要約

ロシアのフラッグキャリアであるアエロフロートが8月28日発表した2014年6月中間期の最終損益は19億ルーブル(3,994万ユーロ)の赤字となった。同社は理由として、ロシア経済の「成長鈍化」と「特殊要因」を挙げた。「特殊 […]

ロシアのフラッグキャリアであるアエロフロートが8月28日発表した2014年6月中間期の最終損益は19億ルーブル(3,994万ユーロ)の赤字となった。同社は理由として、ロシア経済の「成長鈍化」と「特殊要因」を挙げた。「特殊要因」は、ウクライナ東部における紛争と西側諸国による対ロ制裁を指すとみられている。前年同期は94万ユーロの黒字を計上していた。

アエロフロートは2009年以来、黒字決算を続けていた。この間、旅客数は年平均20%増加した。しかし、サヴェリエフ社長が先ごろ述べたところによると、需要が09年以来で最も大きく落ち込んでいるもようだ。政治的・経済的な先行き不透明感から、ロシア国民が旅行を含め消費を控えているのが原因という。

アエロフロートは従来、今年の旅客数が15%増えると見込んでいたが、予測を8~9%増に下方修正した。

なお、先月4日に運行を停止した格安航空子会社ドブロリョトに代わる新しい格安子会社の設立準備が進んでいる。年末までに新会社の営業を開始するが、クリミア半島ルートを運行するかは未定だ。

欧州の格安航空会社がロシアに乗り入れているため、アエロフロートは自ら格安市場に参入してシェアの維持を狙う。(1RUB=2.79JPY)(東欧経済ニュース8月6日号「格安航空会社が運行停止、EU対ロ制裁の影響で」を参照)