2014/9/17

総合・マクロ

EU、対ロシア追加制裁を発動

この記事の要約

欧州連合(EU)加盟国は11日の大使級協議で、ロシアに対する追加制裁を12日から発動することを決めた。7月下旬から科している金融、防衛、エネルギーの分野などでの制限をさらに拡大する内容。EUは8日に追加制裁を正式決定して […]

欧州連合(EU)加盟国は11日の大使級協議で、ロシアに対する追加制裁を12日から発動することを決めた。7月下旬から科している金融、防衛、エネルギーの分野などでの制限をさらに拡大する内容。EUは8日に追加制裁を正式決定していたが、ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力が合意した停戦合意の順守状況やロシア側の出方を見極めるため発動を先送りしていた。

追加制裁では、ロスネフチなど3つの大手石油関連企業が欧州の金融市場で資金調達をすることを制限するほか、政府系金融機関5行への融資を新たに禁止。深海や北極海での資源開発で欧州の企業が試掘や掘削などの技術援助を提供することや、軍事に転用できる民生品に関し、ロシアの9企業への製品輸出も禁止する。さらに、ウクライナ東部の親ロ派武装勢力に関与する24人の資産も凍結する。

ウクライナ東部では政府と親ロシア派による5日の停戦合意以降も散発的に戦闘が発生している。北大西洋条約機構(NATO)の軍当局者は11日、ウクライナ東部には依然として約1000人のロシア軍部隊が残っており、国境付近にはさらに2万人規模の部隊が展開しているとの見方を示した。ロシアが親ロシア派に対して軍需品の提供を続けているとの情報もあり、EUとしては停戦順守が確認できるまでロシアに引き続き圧力をかけていく必要があると判断したものとみられる。

EUが追加制裁の発動を決定したことに、ロシア側は強く反発している。ベロウソフ大統領補佐官(経済担当)は11日、政府は対抗措置を取る用意があると警告。「農産物以外で欧州のパートナーがロシアに依存している製品がいくつもある」と指摘し、現在実施している農産物や食品に加え、中古車や衣料品を新たに禁輸措置の対象とする考えを示した。