独ミュンヘン再保険グループの元受保険事業エルゴが、ポーランド事業の強化に向けて買収も視野に入れていることが分かった。エルゴのトマス・シェルコプフ国外事業取締役が独経済紙『ハンデルスブラット』の取材で明らかにしたもので、自力成長を優先するとしながらも、「取引価格が折り合えば」買収もありうると話している。
エルゴのポーランドでの保険料収入は10億ユーロを超え、東欧地域での収入(19億ユーロ)の半分以上を占める。
国外事業の成長頭はロシアで、昨年の保険料収入は1億ユーロに上った。自動車保険で自己負担額付き契約商品を導入したことが奏功し、同国の保険会社の中でも損害率が小さい方だという。将来的に同国市場でトップ10入りを狙う。
これまでのところ、欧州による対ロシア制裁の影響は出ていないという。ただ、業界関係者は欧州連合(EU)が制裁対象を保険業界に広げれば、顧客への保険金支払いが不可能になると指摘している。