2014/10/8

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スロベニア、化学大手の民営化手続き開始

この記事の要約

スロベニアの国家資産を一元管理するスロべニア国家資産ホールディング(SDH)は1日、化学企業ツィンカルナ・ツェリェの過半数株の売却手続きを開始した。ブラトゥシェク前内閣が策定した民営化計画に沿うもので、売却益で財政改善を […]

スロベニアの国家資産を一元管理するスロべニア国家資産ホールディング(SDH)は1日、化学企業ツィンカルナ・ツェリェの過半数株の売却手続きを開始した。ブラトゥシェク前内閣が策定した民営化計画に沿うもので、売却益で財政改善を目指す。

対象となるのは、SDH、保険会社モドラ、新マリボル信用銀行(NKBM)、ツェリェ銀行など11社・機関が持つ70.79%だ。来月14日に意向表明書(LOI)の受付を締切り、書類審査で入札に参加する企業を選ぶ。売却業務は大和コーポレートアドバイザリーが担当する。

ツィンカルナ・ツェリェはスロベニア第3の都市であるツェリェ特別市に拠点を置く。欧州有数のチタン酸化物メーカーとして知られるほか、亜鉛、亜鉛合金、特殊化学品の生産を手掛ける。従業員は1,000人弱で、昨年は売上高1億6,596万ユーロ、純利益716万ユーロを計上した。リュブリャナ証券取引所に上場している。

スロベニアは、国営銀行救済に向けた多額の公的資金投入で財政が悪化している。このため、ブラトゥシェク前内閣は優先して民営化を進める国営企業15社を決定した。ツィンカルナ・ツェリェもそのうちの一つだ。(東欧経済ニュース8月6日号「スロベニア、国有企業の民営化再開」を参照)