2014/10/15

チェコ・スロバキア

米ウエスチングハウス、チェコ政府に原発計画への出資を提案

この記事の要約

東芝の米国子会社であるウエスチングハウスが、チェコ政府に対して原発プロジェクトへの出資を提案した。資金調達が計画実施の障害の一つとなっていることに着目し、解決策を提示することで受注機会を拡大する狙い。ウエスチングハウスの […]

東芝の米国子会社であるウエスチングハウスが、チェコ政府に対して原発プロジェクトへの出資を提案した。資金調達が計画実施の障害の一つとなっていることに着目し、解決策を提示することで受注機会を拡大する狙い。ウエスチングハウスのチェコ子会社がCTK通信に明らかにした。

チェコでは国営電力CEZによるテメリン原発入札手続きが今年4月に中止された。電力買い取り価格の政府保証が受けられず、採算性の見通しが立たなくなったためだ。しかし、政府が年末に発表する予定の長期的な国家エネルギー戦略案では原子力開発が重要な位置を占め、原発建設・拡張計画が再始動すると予想される。

ウエスチングハウスは、英国とブルガリアで採用した事業モデルをチェコにも適用することが可能としている。両国では運営事業体へ出資しており、チェコでも同様の方式で資金を提供することを考えているもようだ。

テメリン原発の拡張については、入札中止後も受注を狙う企業が政府への働きかけを続けている。ロシア原子力公社(ロスアトム)はすでに、費用を全額融資する用意があることを明らかにしている。韓国電力公社(KEPCO)や中国も受注に積極的な姿勢だ。(東欧経済ニュース9月3日号「チェコ原発プロジェクトに中国が関心」を参照)