2014/10/22

総合・マクロ

伊エネル、東欧事業売却でルーマニア・スロバキア政府と交渉

この記事の要約

伊電力大手エネルはこのほど、中東欧事業の売却をめぐってスロバキア、ルーマニア政府と交渉していることを明らかにした。フランチェスコ・スタラーチェ最高経営責任者(CEO)は、両国の事業には政府も出資しており、売却手続きでは政 […]

伊電力大手エネルはこのほど、中東欧事業の売却をめぐってスロバキア、ルーマニア政府と交渉していることを明らかにした。フランチェスコ・スタラーチェ最高経営責任者(CEO)は、両国の事業には政府も出資しており、売却手続きでは政府の意向も尊重するとしている。11月末までに売却先を決定する目標だ。16日付の伊経済紙『ソレ24オレ』が伝えた。

ルーマニア政府は9年前の電力供給システム再編・民営化でエネルに売却した株式を全て買い戻す意向だ。エネルは同国の電力販売市場で3分の1のシェアを占め、年間売上高は10億ユーロに上る。売却で44億ユーロの収入を見込む。

一方、スロバキア政府は、エネルが売却を予定するスロバキア電力(SE)の66%のうち、17%を取得する方向だ。これにより出資比率を51%に引き上げて経営権を握る狙い。

残りの株式についてはチェコ国有電力のCEZやエネルギー・産業持ち株会社のEBHが買収に関心を示している。

エネルは2006年にSEに8億4,000万ユーロを投資して株式を取得した。時価は最大30億ユーロと推定されている。SEは水力・火力発電所を多数所有するほか、スロバキアにある2つの電子力発電所を運営している。