2014/11/5

バルト三国

リトアニアの浮体式LNG基地がお目見え、露へのエネ依存脱却へ

この記事の要約

リトアニアが初めてロシア以外から輸入する液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地となる大型の浮体式LNG貯蔵・再ガス化ターミナルが10月27日、バルト海沿岸のクライペダ港に入港した。同ターミナルは12月に稼働の予定で、リトア […]

リトアニアが初めてロシア以外から輸入する液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地となる大型の浮体式LNG貯蔵・再ガス化ターミナルが10月27日、バルト海沿岸のクライペダ港に入港した。同ターミナルは12月に稼働の予定で、リトアニアは天然ガス供給のロシア依存から脱却することになる。

「インデペンデンス(独立)」と命名された同ターミナルは全長294メートル。年40億立方メートルのLNGを受け入れる能力を持つ。昨年のロシアからの輸入量(27億立方メートル)を上回る規模となる。建造費は3億3,000万ドル。ノルウェーのホーグLNG社が韓国の現代重工に発注した。リトアニア政府系の石油ターミナル運営企業クライペドス・ナフタがホーグLNGからリースし、運用する。

バルト3国のリトアニア、エストニア、ラトビアはLNGを全面的にロシアに依存しており、価格交渉で弱い立場にある。このためリトアニア政府は、エネルギー安全保障の観点から、ロシア以外から調達するLNGの受け入れ基地の開設を決めた。同ターミナルの命名は、ロシアへの依存からの脱却を象徴するものだ。

同ターミナルは2015年、ノルウェー石油大手スタトイルから5億4,000万立方メートルのLNGを受け入れる。国内のLNG需要の5分の1に匹敵する。エストニア、ラトビアも「インデペンデンス」を活用する計画で、リトアニアのグリボウスカイテ大統領によると、将来的には同ターミナルがバルト3国のLNG需要の90%を賄うことができるという。