2014/11/12

総合・マクロ

ハンガリー首相、サウス・ストリーム計画を支持

この記事の要約

ハンガリーのオルバン首相は4日、同国議会がロシア産天然ガスを欧州に供給するパイプライン「サウス・ストリーム」の建設に関連する法案を可決したことを受け、同パイプラインの建設計画に対する支持を改めて表明した。 サウス・ストリ […]

ハンガリーのオルバン首相は4日、同国議会がロシア産天然ガスを欧州に供給するパイプライン「サウス・ストリーム」の建設に関連する法案を可決したことを受け、同パイプラインの建設計画に対する支持を改めて表明した。

サウス・ストリームはロシア南西部からウクライナを迂回して黒海海底を通り欧州諸国に至るガスパイプラインで、輸送能力は年間630億立方メートル。ハンガリー議会は3日、天然ガスの輸送系統運用業の免許を保有していない企業にパイプラインの建設を認める法案を可決。これにより、同国でのサウス・ストリーム着工に道が開けた。オルバン首相は4日の閣議後、記者団に対し「我々はエネルギー源をもたらすのであればどんなパイプラインも支持する」と強調。過去にロシアがウクライナ向けのガス輸出を一時停止し、ウクライナ経由でロシア産ガスを輸入する欧州諸国に深刻な影響が出たことを念頭に、「ウクライナで問題が発生した場合でも、ガスはハンガリーに供給されなければならない。そのためにはもう一本のパイプラインが必要だ」と述べ、サウス・ストリーム計画を支持する姿勢を示した。

サウス・ストリームの建設計画をめぐっては、パイプラインへの第三者アクセスが保証されていないことや、ガスの供給元であるロシアの天然ガス大手ガスプロムがパイプラインの運営にあたる点などが欧州連合(EU)の競争法に抵触する疑いがあるとして、欧州委員会が計画の凍結を要請しており、ブルガリアとオーストリアでは現在、建設作業を見合わせている。ハンガリー議会の決定を受け、欧州委員会の報道官は「ハンガリー当局と連絡を取り、説明を求めているところだ」と語った。

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