2014/11/12

コーヒーブレイク

カミングアウトで記念碑撤去~ロシア

この記事の要約

米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が10月末に同性愛者であることを公にしたことで、サンクト・ペテルブルグの大学構内にあった「スティーブ・ジョブズ記念碑」が撤去される事態になった。設置元の持ち株会社ZEFS […]

米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が10月末に同性愛者であることを公にしたことで、サンクト・ペテルブルグの大学構内にあった「スティーブ・ジョブズ記念碑」が撤去される事態になった。設置元の持ち株会社ZEFSは理由として、「同性愛を肯定するようなものを、若い人たちの集まるところに置いてはおけない」と説明している。

この記念碑は、アップルの創業に加わったジョブズ前CEOの死後、2013年にZEFSが費用を出してサンクト・ペテルブルグ情報通信工科大学内に建てられた。高さ約1.9メートルで、アイフォン4をかたどる。中庭の真ん中に立つ写真をみると、映画「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリス(一枚岩)のようだ。タッチスクリーンを模したモニターにジョブズ氏の写真やビデオ、講演が流れる仕掛けになっていた。

ロシアでは昨年、「青少年に同性愛を宣伝する」ことを禁止する法律が成立した。その是非はともかく、クックCEOがカミングアウトしたからといって、アップルという企業やアイフォン、ましてやジョブズ氏が異性愛者だったという事実が変わるわけではない。それでも撤去につながるのは、悪化する米国との関係の延長、「坊主憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎い」という人間の心理だろうか。

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |