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2014/11/19

総合・マクロ

ヨハニス氏がポンタ首相に逆転勝利、ルーマニア大統領選

この記事の要約

ルーマニアで大統領選の決選投票が16日行われ、即日開票の結果、中道右派の国民自由党を率いるクラウス・ヨハニス氏(55)が劣勢を覆し、中道左派のビクトル・ポンタ首相(42)を破って当選した。汚職対策と司法の独立を公約に掲げ […]

ルーマニアで大統領選の決選投票が16日行われ、即日開票の結果、中道右派の国民自由党を率いるクラウス・ヨハニス氏(55)が劣勢を覆し、中道左派のビクトル・ポンタ首相(42)を破って当選した。汚職対策と司法の独立を公約に掲げたヨハニス氏が、減税と年金引き上げをうたったポンタ氏を抑えた格好。ポンタ氏は敗北を認めながらも首相に留まるとしており、今後は両者の協調が課題となる。

2日に行われた第1回投票では、ポンタ氏の得票率がヨハニス氏を10ポイント上回る40%に達しており、事前予想ではポンタ氏が有利だった。だが、決選投票ではポンタ氏の45%に対してヨハニス氏は55%を獲得した。

決選の投票率は過去最高の62%を記録し、第1回投票の53%から9ポイント上昇した。専門家によると、第1回投票を棄権した決選の投票者でヨハニス氏支持が多かった可能性があるという。

例えば国外200万人を対象とした在外投票では、ヨハニス氏の得票率が第1回投票の時点で46%に達しポンタ氏を30ポイント上回っていたが、決選では第1回を14万人上回る30万人が投票を行っており、ヨハニス氏の得票率が押し上げられたとみられる。

ヨハニス氏はドイツ系ルーマニア人で、同国中部のシビウで市長を務める。在任期間が14年と長いにもかかわらず、汚職とは無縁の政治家とみられている。同国では経済の立て直しや汚職対策が課題となっており、ヨハニス氏は選挙戦で経済改革の断行や、政治腐敗と対決する姿勢を鮮明に打ち出した。今回の勝利を受けてフェイスブックで「ルーマニアを取り戻す」との声明を発表し、改革への意欲を示した。