チェコの通貨コルナの下落が進んでいる。12日には、2014年12月のインフレ率が0.1%に低下したことや11月の小売売上低迷を受けて景気後退懸念が強まり、対ユーロで過去6年間の最安値28.45ユーロ、対米ドルで過去9年間の最安値23.99コルナをつけた。14日にゼマン大統領が中央銀行のコルナ安誘導のための市場介入を止めるべきと発言し、対ユーロでは再び28コルナを割り込んだが、対米ドルでは下落が進んだ。
中央銀行は13年11月にコルナ安誘導のための市場介入を実施するとともに、1ユーロ=27コルナ前後でコルナ安を維持することを目標に16年末まで実施する方針を示した。14年の中銀利益は566億コルナで、大部分は外貨準備の為替差益によるものだ。
コルナ安誘導のための市場介入は、国民にはインフレ率低下による恩恵があまりなかったと同時に、輸入製品が高くなるなどのマイナス影響があるとして、反対する声が多い。(1CZK=4.88JPY)