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2015/2/4

総合・マクロ

中欧製造業が好調、PMIが力強く上昇

この記事の要約

中欧の製造業が好調だ。原油安と内需拡大がけん引している。また、輸出産業が盛んなポーランド、チェコ、ハンガリーでは昨年7月以来、自国通貨が対米ドル安になったことも追い風となった。 ポーランドの1月製造業購買担当者指数(PM […]

中欧の製造業が好調だ。原油安と内需拡大がけん引している。また、輸出産業が盛んなポーランド、チェコ、ハンガリーでは昨年7月以来、自国通貨が対米ドル安になったことも追い風となった。

ポーランドの1月製造業購買担当者指数(PMI)は55.2と前月から3.3ポイント上昇し、2012年初め以来の急上昇を遂げた。ロイター通信の集計したアナリスト予想(53)を大幅に上回った。生産、新規受注、輸出が伸びたことで、雇用と個人消費が増えた。

チェコもアナリスト予想を上回る56.1となり、前月から2.8ポイント上昇した。受注増加と投入価格低下が数値を押し上げた。内需も力強く拡大しており、低インフレ率の要因は原油安にある。

ハンガリーは12月の50.9から54.2に上昇し、過去20年間の1月平均値(52)を超えた。景気の分岐点を示す50を上回ったのはこれで18カ月連続となる。

一方、トルコは前月の51.4から49.8となり、2カ月連続で低下した。5カ月ぶりに新規受注が縮小したほか、生産も6カ月ぶりに減少した。雇用は前月の高い水準を保った。

ロシアは48.9から47.6に低下した。生産が減少する一方で、ルーブル安を背景に投入価格が上昇した。PMIを集計しているHSBCでは、インフレ加速と需要減という「悪い均衡」にロシアが直面する可能性が強くなってきているとし、金融政策上の判断に慎重さが必要と分析している。