2015/2/4

ポーランド

ポーランド政府、スイスフラン建て債務者の救済案を発表

この記事の要約

ポーランド政府は1月29日、国内のスイスフラン建て債務者の救済案を発表した。銀行に対して一定の譲歩を勧告するもので、強制力はない。 主な内容は(1)実勢為替相場におけるズロチ建てへの借り換えを手数料なしで提供(2)月々の […]

ポーランド政府は1月29日、国内のスイスフラン建て債務者の救済案を発表した。銀行に対して一定の譲歩を勧告するもので、強制力はない。

主な内容は(1)実勢為替相場におけるズロチ建てへの借り換えを手数料なしで提供(2)月々の返済額の上限を定める(3)3年間の返済猶予の可能性を認める――などだ。

(1)については、自国通貨に有利な固定レートでの換算を強制したハンガリー政府と明確に距離を置いた。ピエホチンスキ副首相兼経済相は、「我が国の銀行システムを弱体化させない解決策を探りたい」と話している。また、債務者に対しては、あせらずに為替の動きを見定めて対策を検討するよう薦めた。

ポーランドでは2000年以降の力強い経済成長を背景に、住宅ローンとして低利のスイスフラン建て融資契約が数多く結ばれた。しかし、約10年前からズロチ安が始まり、フランの為替相場は当時の2.2倍に高騰している。昨年11月末時点のフラン建て債務残高は304億ユーロ相当と、国別で最も大きくなっている。