2015/2/4

ポーランド

米シェブロン、ポーランドのシェールガス事業から撤退

この記事の要約

米石油メジャーのシェブロンは1月30日、ポーランドのシェールガス開発事業から撤退すると発表した。探索調査の結果、採算性が悪いと判断した。これまでに米エクソン・モービル、マラソン・オイル、仏トタルも撤退しており、天然ガス調 […]

米石油メジャーのシェブロンは1月30日、ポーランドのシェールガス開発事業から撤退すると発表した。探索調査の結果、採算性が悪いと判断した。これまでに米エクソン・モービル、マラソン・オイル、仏トタルも撤退しており、天然ガス調達先の多様化を掲げるポーランド政府にとってさらなる打撃となりそうだ。

ポーランドは膨大なシェールガスの埋蔵が推定され、国際メジャーを含む石油会社が競って進出を決めた。しかし、探索を進めるうちに推定埋蔵量は下方修正され、岩盤掘削も困難であることが明らかになった。加えて、開発をめぐる法整備が遅れたことで企業側から不満の声が上がっていた。

さらに、世界市場におけるエネルギー価格の低下で、企業は支出削減と将来性の低い事業からの撤退に迫られた。これが今回のシェブロンの判断の背景にある。

ポーランド、ルーマニア、リトアニアなどの東欧諸国は、シェールガス開発をロシアへの天然ガス依存からの脱却に向けたカギと位置付けていた。しかし、これまでのところ、生産は具体化しておらず、液化天然ガス(LNG)輸入や西欧地域との送ガス網接続など他の取り組みが進んでいる。